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リニューアル特別インタビュー/第6回-Vol..1 ※全3回にわたってお届けします。

株式会社コーチ・トゥエンティワン、株式会社コーチ・エィ
代表取締役社長 伊藤守氏

伊藤守氏◆プロフィール◆
株式会社コーチ・トゥエンティワンおよびコーチ・エィ代表取締役社長。
ほかに株式会社キャッチボール・トゥエンティワン・インターネット・コンサルティング代表取締役社長、株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン代表取締役会長を兼務。
日本にコーチングをもたらした第一人者であり、自身も企業・経営者団体などを対象とした研修のほか、個人コーチも手がける。
日本で最初の国際コーチ連盟マスター認定コーチ。


◆主な著書◆
「小さなチームは組織を変える」(講談社)
「コミュニケーションはキャッチボール」(ディスカヴァー)
「コーチング・マネジメント」(ディスカヴァー)
「もしもウサギにコーチがいたら」(大和書房)
「絵で学ぶコーチング」(日本経団連出版)
「リーダーになる人、ならない人」(ディスカヴァー)
「こころの対話」(講談社)
その他多数。



◆はじめに◆
伊藤守さんと言えば、日本におけるコーチングを隆盛させた第一人者として有名ではありますが、20代の頃から会社を立ち上げ、現在5つの会社を経営し、どれも発展に 導いている企業家としての顔も合わせ持っています。
そんな社長としての伊藤守氏の成功の裏には、常に人間本来の可能性を信じ、個人の成長を企業の発展へと導こうとするビジョンと情熱があると、かつて、伊藤さんのもとで働かせていただいた部下として、強く感じていることです。
今回は、そんな社長としての伊藤守氏の魅力を多くの方にお伝えしたいと思い、インタビューさせていただきました。
3回に分けてお送りします。


伊藤守氏へのインタビュー Vol.1

− それでは、伊藤さん、よろしくお願いいたします。

こちらこそ、よろしくお願いいたします。

− 伊藤さんと言えば、コーチングの会社だけでなく、出版やインターネットの会社も設立し、成功されています。コーチ・トゥエンティワン、コーチ・エィもとても大きくなりました。ここまで会社を大きくされてきた伊藤さんですが、今回はコーチとしてではなく、社長として伊藤さんがどのようなことを意識しながら、日々過ごされているのかをお聞きしたいと思います。

はい。
一つは、人を採用するときに仕事で採らないということですね。即戦力という言葉のもとスペックで採ると、スペック以上のことをやらないようになってしまいます。会社というのはスペック以上のことをやってくれないとうまくいきません。人を採ることでそこにシナジー(相乗・協力作用)を創り出したいわけですから。なので、私の場合、人柄で採るというのが基本です。人柄がよければ、どんな仕事でもうまくいきますからね。

− ただ、短い時間の面接で、見極めることって難しいですよね。面接の時にはいいと思ったのに……ということも生じると思いますが、その辺はどうしていますか?

何回か失敗するんですよ(笑)。失敗したときには、どうもスペックで採ってしまったんだなと思うよね。そして、何がスペックだったのか、期待していたことは何だったのか、話し合います。ITの業界はそれで伸び悩むところが多いと思うんですね。スペックで人を採用するので、自分のスペックに合った仕事だけを行い、それを超えてしまうと、「僕はそういうタイプじゃない」とか、「そこまで強いないでください」と言い出す。

1980年代のアメリカというのは、本当に経済的に落ち込んで、日本はバブルの真っただ中に入っていくわけです。アメリカは1990年ぐらいから盛り返すけど、その中で使われた手法というのは、QC(quality control)サークルのようなグループで、品質管理だけではなくて、グループでお互いに話すチーム作りや、チームでアクションラーニング、つまり、お互いに学んでいくシステムが台頭しているんです。実際に、アメリカの企業でも、最近は社員旅行や宴会が見直されているんですよ。
だから、採用するときにどういう基準で採るのかというのを見誤っている会社というのは、なかなか伸びきれないんですね。

− なるほど。では、御社で人を採る基準というのは、何を基準にしていますか。

一つは、やっぱり人柄、性格のよさ。それから、リテラシーはもちろん重要です。
人柄というのは、素直であること。あと、物事を楽しんでやれる能力がどのぐらいあるのか、プレッシャーをかけたときにどう反応するのかというのも見たい。また、実際に採用面接では、いっぱい質問させて、どんな質問をしてくるかによって、どの程度のコミットメントがあるかということも見ています。その質問の内容が自分のことだけに関わることだったり、僕のことだけに関わることだったりで、見分けることができます。例えば、「この5年、10年のビジョンを教えてください」とか、「私はどういうふうに扱われるでしょうか」という質問をしてくる。また僕という人間に興味を持って質問をしてくるような人もいるけど、役割に対してだけ質問してくる人もいるわけ。でも中には、「私たちがどうなっていくのか」という視点の質問をしてくる人もいる。そういう人と一緒に仕事がしたいよね。

− あぁ、なるほどね。質問の視点で見わけるのですね。

その場でどういう質問がつくれるかというのは、コーチとしてやはり重要な能力検定になるので、いくつか質問をしてもらいます。そうすると、いい質問をつくる人もいるし、そうじゃない人もいます。

− 入社後の社員育成はどのようにしていますか?

まずは、CTP(コーチ・トレーニングプログラム)を受けてもらいます。その他、当社のシステムである電話会議ブリッジで定期的に学びあったり、外部の講師を呼んで勉強会をしたり、実際にコーチングもしてもらいます。並行して、OJTでマネージャーがコーチの役割を果たして、彼らをずっと育てていきます。基本はチーム単位で教育を行います。そうすると、各チームに同じように新人が割り振られてもマネージャーによって育つのが早かったり遅かったりする。例えば、あるマネージャーが第二新卒は採用しても使えないと言ったとしますね、周りも確かにそうだと納得し、そのスタンダードが会社の中でなんとなく了解されていく。でも別のマネージャーがその人たちを育てて一億円プレーヤーにしてしまうんですね。そうすると、他のマネージャー達にシフトが起こるし、スタンダードが変わっていくわけです。
 だから、教育ですごく大事なのは、何を教育するかもそうですが、仕事全般に関してスタンダードが変わっていくことが、とても大事です。どんどん高いスタンダードを見せていく。それもこっちが用意するよりは、必然的に高いスタンダードができてきて、そうしたらそれをアクノレッジ(承認)するんです。これは上手くいっている、これはいいね、など何が評価に値するのかアクノレッジすることで伝えていく。
 だから、今、何がうまくいっているのかを知るために、僕たちはデイリーなレポートシステムというのを、作りました。僕は、毎日120人ぐらい全社員のものを読んでいます。

− なるほど。否定するためではなく、アクノレッジするためのシステムなのですね。

− 私のイメージの中で、伊藤さんはカリスマ性のあるビジョナリーリーダーであり、みんなそのもとに集まって、伊藤さんのその思いに動ける人たちだったと思うんです。でも、一定以上の規模になったときに、何かやり方でシフトしたことはありますか。

僕は、君がいるころから(6−7年前)、後継者の育成はしていたんだよ。僕はミッションを持っていて、自分が40代のときには次の後継者を大体決めておいて、更なるその次の人を決めてから、会社を出ようと思っているんです。

− その次の人?

つまり僕の次の後継者たち、30代後半から40代の人たちですが、彼らはこの1〜2年の間に社長になり、取締役にも上がると思います。それで、僕はもっと影響力のないところに異動しますよね、僕は僕でやりたいことがあるから。そうすると、もう今から、次々代の社長候補の訓練に入る。それで、この5年ぐらいの間に次々の社長候補を決めれば、次の社長が実権を持って5年、10年、とやっているあいだに、次の社長はもう指名されているという状態が出来上がります。つまり、会社の未来というのは何も荒唐無稽なビジョンではなくて、次の社長はこの人になり、次々代の社長をどう育てるかは決めていて、会社の未来はどういうストラテジーでやっていくのかというのが僕の中にはあります。
 その中で、僕がやる仕事というのは、例えば新規商品開発として、いつも開発し続けていくこと、プロダクトアウトしていくこと、顧客第一主義であることなどという考え方や、今のような次々代まで育てるというような考え方を会社の中に植えつけることだと思っています。そのために、初代社長の力をできるだけ言語化して、誰でも受け取れることができる形にしていきたいとは思っています。

− それが、一般的にはなかなかうまくいかないんだと思うんですね。どうしても、社長の思いをいかに伝えるかということで悩んでいたり。次の代には伝えられたとしても、さらなる次と考えると、非常に悩むんですよね。

さらなる次までやるとわかるんだけど、社長の思いを伝えるということを考えているようでは、しようがないんだよ。彼らの思いを吸い上げて使わない限り、次の世代はないんだよ。社長の思いを伝えるというのは単なるエゴだから、僕の思いなんてもうどうでもいいわけ。もっと大事なことは、会社が発展していくことや、飛躍的に伸びていくこと。グッドな会社にしたいと思っているわけじゃなくて、グレートな会社にしたいというところでみんな付いて来ているわけだから、じゃあ、グレートになるためには何ができるだろうって考えるんだよね。
 「社長のビジョンは何ですか?」とよく社員に聞かれるから、「おれのビジョンはもういい。おまえのビジョンは何だ」って聞き返すわけ。そうすると、「私がビジョンを言ったからといって、会社にとっては別に……」と言うから、「その自意識の低さが、会社の成長の邪魔になる」と言って怒るわけです(笑)。
 つまり、会社は、やりたいことがあることによって伸びてくるのです。創業者というのは、自分がやりたいことを持っているという強みで、逆に社員をスポイルしてしまう。だから社員のやりたいっていうことにいつも火をつける必要がある。
そう考えると、コーチが経営者にする質問というのはすごく簡単で、「あなたは、部下の創造性、モチベーションやリソースにアクセスできるようにするために何をしていますか」と質問するんです。

− 同じ質問を聞いてもいいですか。そのために、実際にどうしているんですか。

だから、僕は彼らとデイリーなコミュニケーションを交わしているし、彼らにビジョンも聞くし、やりたいことは何かということも聞いているし、マンネリ化するのを許さないし・・・。だから、同じはいけない、安定もいけないと言っていますよ。

− デイリーなコミュニケーションについて聞きたいのですが、デイリーなコミュニケーションというと、私たちはどうしても発想が貧困になってしまって、例えばメールだとか、1対1の飲みニュケーションとかになっちゃうんですよね。

それは、部下に聞きたいことがないからそうなるんです。僕は常に質問を持っているから。部下に対する質問というのを、考え抜いて持っているわけです。だから、その場で聞いているわけじゃないし、聞きたいことが僕の中にはある。例えば、その人の健康について、人間関係、タスクやスキルについてとか、その人が成長できるような質問を効果的に、メールや面と向かって問いかける。それは思いつきではなく、計画的にやっているわけですね。

− 良く分かります。ただ、コーチングを知らない社長であればこれを実行しようとすると、例えばノートを用意して、質問事項を書いてみて、今日は何君、明日は何さん・・ということになると思うんです。

最初は、それでもいいと思う。それと、その質問の内容のメンテナンスや、質問の効果というものをはからないといけないよね。

− 伊藤さんは、どのようにしてメンテナンスや効果を図っているのですか?

何だかんだ言って、勉強するからね。海外も含めてアンテナをいっぱい張って最先端のコーチングには常に触れているし、それを持ち込んで分かち合いたいという指向性もある。うちのスタッフもしょっちゅう外に飛ばして使える情報を集めてきて、次はこれでいこうと決めている。勉強をやめてしまえばおしまいなんです。もちろん本も読むし、雑誌もみんなシェアする。そういった情報はオフィス中を飛び交っていると思いますよ。本気で勉強しなきゃいけないなと思います。僕は、勉強をやめないために、日経産業新聞など全部で6誌に連載をずっと書いています。そうすると、同じことは書けないから、やはり勉強するんです。だから、勉強したいなと思っているんじゃなくて、せざるを得ないような条件を自ら作っていますね。

 あと、ブログにも書いているけれど、会社に宇宙航空研究開発機構の的川泰宣先生や海馬の著者池谷先生などを呼んで月に2回勉強会を開いています。僕はねそういった異分野の人と100人仲良しになると決めていて、ネットワークを広げています。そうするとね、分野は違うけれど僕の考えと別次元でつながったりしてすごくおもしろい。
 例えば、的川先生の話だけど、今「はやぶさ」という衛生を飛ばしているのを知ってる?約3億2000万キロ先のイトカワという直径500メートルほどの小惑星に、衛生を飛ばしています。でも、例えばロケットの右を噴射しろという指示を出すと、3億キロだから片道16分かかって、わかりましたと戻ってくるのにまた16分かかって、32分間のタイムラグのあるコミュニケーションを交わさなくてはいけない。そういう話を聞くと、大変だなと思うでしょう。それで、何をしたかというと、その「はやぶさ」に自律性を持たせたのです。つまり、イトカワとの距離を測りながら、自動でロケットを噴射したり、着陸させていくための一切の作動というのは、はやぶさが自らカメラを通してやっていくという動きにしたそうです。
 こんな話を聞くと、僕の仕事の場合でいうと、社員にコンテンジェンシープラン、つまり「不測事態対応能力」を持たせるということだな、と思うわけです。上司の指示を仰いで動いているようではだめで、「はやぶさ」のような人を育てようと思うと、異分野の宇宙学者でも一緒になることができる。お互い立っているアンテナが違うわけだから、そういう話をすると、向こうも興味を持ってくれて、そんな考え方もあるのかと考えが広がりますね。

− なるほど〜。

僕の遺伝子をどう残すかというのを考えるのは、けっこう不毛だと思うんです。それは、会社が伸びなくなって、とまってしまう。それよりも別のもっと使える遺伝子を見つけて、伸ばしていったほうがいいと思う。会社を飛躍的に成長させていくためのセオリーというのは、いつの時代もそんなにたくさんないんです。伸び続けるということは、あるセオリーに乗ることだと僕は思っているんです。
 そのための一つには、社長が表にあまり出ないことでしょう。僕は、知られてはいるかもしれないけど、基本的には表には出ない。社長業はやるけれども、それ以上のことはあまりやらない。



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