強みの活かし方
こんにちは。稲垣陽子です。
講演などで、自分の「強み」を書き出すワークを、2分間ほどでやって頂く時があります。
そこで10個書けたら万々歳で、平均で2、3個、少ないと1個思いつくかどうかなんですね。
そのくらい、自分の「強み」というものを、たいていの人が、実は分からずにいる、ということなんです。
「強み」というと、多くの人が「特別な才能」と感じ、特別な100点のものでないと「強み」とは言えないと、思ってしまっているからかもしれません。
でも辞書で調べると「他者より少し抜きん出てる点」という言葉もあります。
つまり、みんなが50点で出来るところが、自分は60点で出来る、というようなものも「強み」だということです。
そういう風に考えると、基本的に沢山のいろんな強みを持って、私たちは生きている、と言う事が出来るのではないでしょうか。
そんな、本来沢山ある「強み」を、自分でより多く知っておくという事は、個人的に良い事だと思っています。
例えば、私には「自由奔放」という強みがありますが、それを旦那の実家で使うと大変なことになります。
「お皿洗いたくな~い」とか言っちゃうかもしれないので(笑)。
だから「ここでは、私の強みが発揮されないから窮屈だわ」って思うかというと、そうでは無くて、
他に私には、よくしゃべるとか、場を和やかにするという「強み」があるので、旦那の実家に行くと、いろんな話をして場を和ませるという「強み」を最大限に発揮しています。
これを組織に置き換えると、一つの「強み」で勝負しようと思うと、必ずしも自分の強みに合うところに配置されるとは限らないわけですよね。
例えば、数字が得意だから経理がやりたいのに、営業に回されたりとか、
一つの強みしか知らないと、「はあ~ダメだ。」と悩んでしまうこともあるかもしれませんが、自分の「強み」を、沢山知っていればいるほど、ここでは他のどの「強み」が使えるかなと考えられると、結構楽になるんじゃないかと思うんですね。
また、一つ一つの「強み」は弱かったとしても、沢山あると、ミックスして「強み」の掛け算をすることで、力を発揮することも出来ると思います。
でも、多くの人が一つの強みで勝負して、苦しくなっている場面に出会うことが少なくありません。
そこでは、やはり勝負の世界になってしまうんですね。
例えば私が、「明るい」という強みを持っていて、これしか知らなかったら、私より明るい人を見た瞬間に
「ダメだ。この人よりも、もっと明るくなんなきゃ。」って、劣等感を感じて、苦しくなってしまう。
でも、強みをいっぱい知っておくと、私の明るさはこの人と比べると80点くらい
だけど、和ませるという強みもあるから、それを組み合わせて、和ませる明るさができる人として、やってみる。
そんな「強み」の掛け算をすることで、お互いも認め合うことができ、
勝ち負けの「競争(きょうそう)」が、共に創る「共創(きょうそう)」の関係となり、
新しい価値を生み出して行けるのだと思っています。