間接的な質問をする
こんにちは。稲垣陽子です。
先日、本田圭祐が所属するACミランの日本人トレーナーのインタビューをテレビで見ました。
欧米人の中で唯一の日本人トレーナーとしてすでに10数年。
一流選手からも存在を認められているそうですが、その理由は東洋医学にあるそうです。
東洋医学と西洋医学の治療の大きな違いの一つは、患部を直接治療するかどうか、だそうです。
西洋では、患部を直接触り、痛い部分を直していくそうですが
東洋医学では、その周りをほぐしていって、結果、患部を治癒させるそうです。
例えば、肘を傷めたとしたら、指先とか、腕とか、肩の筋肉をほぐして、患部の痛みを和らげる。
なるほど確かに違いますよね。
直接的にいくか、間接的にいくか、アプローチの違いなのですが、この考え方は、コーチングを行う際にも役に立つ視点だと思いました。
コーチングは相手の目標達成をサポートするものですが、
実際には、自分の目標がはっきりと分かっている人はほとんどいません。
なんだか「うずく」「傷む」けれど「患部」がどこなのかをきちんと理解している人の方が少ないです。
なので、そういう人に、
「あなたの目標は何ですか?」
「あなたの好きなことは何ですか?」
と問うても本質的な答えは返ってきません。
そういう場合は、
「何をしている時が楽しいですか?」
「あなたの嫌いなことは何ですか?」
など、患部の周りの部分を聞いていくことで、じわじわと患部が姿を現すということがあります。
リーダーや上司の立場だと、常に考えている人なので直接的な質問の方が答えやすかったりしますが、部下や経験の浅い人には、間接的な質問でじわじわと近づいていくことも有効だったりします。