任せる力
こんにちは。稲垣陽子です。
「部下に仕事を任せることの大切さはよく分かっているけれど、なかなか仕事を任せることができない」というのは、多くのリーダーからよく聞く話です。
10日の土曜日に、ライフネット生命保険の出口CEOをお招きし「リーダーの任せ力を磨く」をテーマに講演していただきました。
出口さんもそうですが、できるリーダーは任せ方が上手です。
彼らたちに「任せるときのポイントは何ですか?」と聞くと、表現はそれぞれですが、決まって同じような意図の答えが返ってきます。それは、
「自分からやると手を挙げた人に任せる」ということです。
つまり、その人の能力とかキャリアとかそういうことだけではなく、やる気や前向きに捉える心構えなどを買って任せるということなのですね。
そして、その後には大抵、
「人の優秀さにはそれほど違いがある訳ではない。自分もリーダーだけど特別ではない。」というような言葉が続きます。
さらに人は失敗するものであり、あとは経験などの確率論だから、起こりうるリスクは常に計算しつつ委譲すればいい、ということを話してくれます。
しかし、ここでもう一つの疑問が出てきます。では、どうしたら部下が自ら「自分がやります!」と手を挙げてくれるようになるのでしょうか。
これもできるリーダーがやっていることを観察してみると、
「未来を語っている」という共通点が見えてきます。
自分が目指していることや、やりたいことを語っていく。それに対して興味を持った人、目を輝かせた人に「やる?」と聞いて、「やります!」と言った人に任せています。
多くの人が、「任せる」となると、大変だから誰かやって欲しい(このくらいやってよ)と言う押しつけ感だったり、あるいは、君の力を借りてこの一大事を成し遂げたい、大事なことだから失敗はしたくない等の、おおごと感があるように思います。
それだと任せられた方も相当のプレッシャーを感じますし、できればやりたいくないと躊躇してしまうのだろうと、自省も込めてですが(笑)、思います。
上手に任せられるリーダーになるために、まずは自分が「何を目指すのか」「どんな未来を実現させたいのか」つねにそれを軸にして動いていくのが大切だということを、と出口さんのお話を拝聴して、改めて思いました。